- たけ
- I
たけ【丈・長】※一※(1)人や物などの高さ。
「身の~」「~の高い草」
(2)物の長さ。 特に, 着物の肩から裾までの長さや, スカート・ズボン・袖などの長さをいう。「~の短くなった着物」「~を詰める」
(3)ある限り。 すべて。 全部。「心の~を打ち明ける」「思いの~を述べる」
※二※(1)勢い。 また, 軍勢。「軍の~劣りたるに依りて支へ難し/今昔 10」
(2)馬の前足の先から肩までの高さ。 四尺(約1.2メートル)以上四尺九寸(約1.5メートル)未満のものを標準とする。 また, 背の高い馬。「~なる馬に打ち乗つて/謡曲・羅生門」
(3)芸の品位・品格。 和歌や俳句の備える風格。 また, スケールの大きさ。「生得の位とは, ~也/風姿花伝」「いざ~ある歌詠まむ/後鳥羽院御口伝」
~なす背丈ぐらいの高さがある。 身の丈と同じくらいの長さになっている。II「~雑草」「~黒髪」
たけ【他化】他人を教え導くこと。 化他。IIIたけ【他家】よその家。 他人の家。IVたけ【岳】〔「だけ」とも〕(1)高く大きな山。 高山。(2)山の頂上。 山頂。V「ある山の~にあがり/仮名草子・伊曾保物語」
たけ【竹】(1)イネ科タケ亜科の常緑木質植物のうち大形のものの総称。 一般に小形のものはササと呼んでいる。 熱帯やアジアの温帯に多い。 地下茎を広げて繁殖し疎林を作るものと, 稈(カン)が密生して株立ちになるものとがある。 稈の節の部分から枝を出し, 披針形の葉をつける。 花は小穂につき, 開花すると全体は枯死するが, 開花の周期は非常に長い。 また出始めのものは筍(タケノコ)と呼んで食用にする。 稈は竿にしたり, 建築・器具・楽器・工芸品の用材などとして広く利用される。 モウソウチク・ハチク・マダケなど。(2)笙(シヨウ)や笛・尺八など, 竹を材料とした管楽器。「~を鳴らして聞かせ給へ/御伽草子・御曹子島渡」
(3)〔女房詞〕筍(タケノコ)。~植うる日竹を植えるのに最もよいとされる日。 陰暦五月一三日。 竹酔日(チクスイジツ)。 竹植え日。「降らずとも~は蓑と笠/笈日記」
~に油を塗る〔よくすべることから〕弁舌の達者なことのたとえ。~に雀(スズメ)(1)取り合わせのよいもののたとえ。(2)家紋の一。 竹に雀をあしらったもの。 竹を輪にして, 中に雀を入れたものが多い。 伊達家・勧修寺(カジユウジ)家などの紋。~に虎(トラ)取り合わせのよいもののたとえ。~八月(ハチガツ)に木六月⇒ 木(キ)六竹八塀十郎(「木」の句項目)~を割ったよう〔竹がまっすぐに割れることから〕気性がまっすぐなこと。 素直で, 悪いことのできない性格のたとえ。 からたけを割ったよう。VIたけ【茸】〔関西で〕きのこ。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.